空の色をおしえて
ブラインドの隙間から漏れる西陽がフロアの照り返しとなって眩しく、薄目になる。
彩花さんは然り気無く立ち上がり、垂れた紐を引いて光を遮ってくれた。
「美咲ちゃんのお母さんは、きっと心配で仕方ないのね。わたしが昔、無様な姿を晒しすぎちゃったから」
あはは……と軽く笑い、優雅な所作で腰をかけた。
組まれた足先にぶら下がったルームシューズがゆらゆら揺れているのを、わたしはじっと見つめる。
「幸せの定義なんて、人それぞれよ。端から見ているとわたしは確かに苦労人かもしれないけど、あの頃も今も、わたしはずっと幸せよ」
「ま、美咲ちゃんのお母さんの気持ちも大いに分かるけどね。わたしも2人の子を持つ親だから。て、どっちの味方だよって思うでしょ」
「そんな見解もあるってことで、多目に見てよね!さ、ワッフル食べちゃお」