空の色をおしえて



「あ、ねぇ最近秋人ね、帰りが遅いのよ。なんでなのか知ってる?」

秋人と不協和音ぎみであることは、彩花さんには話していない。

余計な心配をかけるわけにはいかないし、言うべきではないと思った。


「さぁ知らないですよ。彼女でも出来たんじゃないですか?」


彩花さんは、ぶっとコーヒーを吹いて反論する。


「そんなまさか!あの子家に女の子連れてきたこともないし、きっとモテないのよ。親のわたしが言うのもなんだけど、ちょっと変わってるからね」

言葉とは裏腹に、彩花さんは秋人と隼人君の話をする時はいつも目尻が下がって愛おしそうに話す。

きっと彼らのことがかわいくて仕方ないんだね。

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