空の色をおしえて
おしゃべりに夢中になって、気がつけば19時を過ぎようとしている。
彩花さんに夕飯を食べて行くようにすすめられたが、また後日母と伺うと丁重にお断りをして帰り支度した。
今夜は、バラバラになった考えを頭の中でまとめたい。
そう思ってのことだ。
彩花さんは、ノックもせず隼人君の部屋を勢いよく開け放った。
「隼人、あんた駅まで美咲ちゃん送ってきなさい!どうせ暇でしょ」
リビングと同じように綺麗に整頓された部屋。
本棚には難しそうな参考書や問題集が並べられている。
机に向かって座っていた隼人君は、呆れ顔で振り向いた。
「勉強してる息子にむかって暇でしょはないだろ。もちろん送るけどさ」と言ってペンを置き立ち上がる。