空の色をおしえて


「さてと、じゃあわたし行くね。5時限目の教科書忘れたから、隼人君に借りに行かなきゃだし」


2年生になって秋人とは同じクラスになれたけど、隼人君は残念ならがらまた別のクラスだった。


「ほんと隼人のこと好きだよなー。もう付き合っちゃえよ、お前らお似合いだぜ」


……本気で言ってるんだとしたら、わたしは絶対に泣く。
間違いなく泣く。

そんなわたしの気持ちなんて、きっとこいつは一生分かるまい。


「そうだね!同じ顔なのに性格は全然違うもんね!」



泣き出しそうな顔を見られたくなくて、後ろを向いたまま不機嫌な声をだす。


「隼人君はかっこいいし性格いいし、なんてったって優しいもんね!」

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