空の色をおしえて


「まったく……親の言うセリフとは思えないや」

隼人君は、やれやれといった風に頭をかきながら玄関を出た。

真っ暗になった閑静な住宅街の小道を、並んで歩く。


「わたしは彩花さんのそういう自由な風を纏ったところ、大好きだよ」


「……兄さんに似てるよね。違うか、兄さんが似てるんだね」


「えっ、別にそういう意味じゃないよ」


弁解しなくてもいいのに、なぜだか突然心を見透かされたような気になって、つい否定的な言葉を使ってしまった。

隼人君は微笑を浮かべ、心なしか歩みを緩めた。

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