空の色をおしえて
「涼しい~、生き返る~」
白シャツの襟もとをパタパタしながら、げんなりとした様子の秋人。
首筋をつたう一粒の汗がキラキラと流れ、シャツの中に消えていく。
その様がやけに色っぽく見えて、ドキッとして目を逸らした。
……馬鹿。なんてこと考えてるのよわたし。
「でも兄さん夏好きでしょ。小さい頃から海とか山とか、よく行ったじゃない」
「好きだけど、暑いのは嫌い」
「ワガママだなぁ兄さんは」