空の色をおしえて


案じてくれている2人には申し訳ないけど、今の今まで結果発表のことなど忘れてしまっていた。

秋人の汗に見とれたりなんかして、何て呑気なんだろう。


急におかしくなって思わず顔が緩んだ。


「お前何笑ってんだよ。変な奴」


「まぁまぁ、元気ならいいじゃない。結果発表、僕たちも家で見るからさ」



「ありがと……。駄目だったら明日から家に引きこもるね」

照れ隠しに、心にもないことを言う。



「めんどくせー奴だな。そうなったら家から引っ張り出してやるよ」


温かい。
心がぽかぽかする。


わたしの周りにはいつも、背中を押してくれる温かい人たちがいる。

それに気がつくことが出来て良かった。

幸せをくれるこの人たちを、死ぬまで大切にしたいと、心から思った。



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