空の色をおしえて



息を切らし何度も迷いながら、洞窟の中をさ迷い歩いた。


分かる。
あの時間に近づいていく。

胸が高鳴る。



やっと洞窟を抜けて目に飛び込んできたのは、あの夜のように広大な漆黒の闇だった。

潮の香りが強烈な印象となって、あの切なくて愛しい夜へと還っていく。



わたしを抱き締めるあなたの力強い腕。
思ってたよりも広い肩。
熱い唇。



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