空の色をおしえて


「兄さんが亡くなったのは……あんな時間に外に出ていって事故にあったのは、僕のせいなんだ」


「兄さんが美咲ちゃんを連れ去った夜のこと……僕は何も聞かなかったけど、きっと無言で責めていたんだ。美咲ちゃんを……僕だけのものにしたくて……」


わたしはその吐き出すような懺悔にも似た告白を、少しも理解することなく聞いていた。




「あの頃、家に一緒にいるのが辛くて、兄さんはその空気を察してなのか、よく夜出歩いていたんだ」



知らなかった……

もう、何もかも知らないことだらけ。

でも、どれもこれも全て、わたしさえいなければ良かったことじゃないだろうか。

仲が良かった2人の仲を引き裂いたのは、わたしだ。

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