空の色をおしえて
過去と現実の狭間をさ迷っていた感覚が、すーっと音をたてて、今という時間に戻っていく。
「隼人君はわたしから何も奪ってなんかいない。だけど、わたしはあなたからたくさんのものを奪った」
大切な時間も、幸せも。
隼人君が好きでいてくれた輝いているわたしも。
隼人君の心の内に、もっと早く気がつけば良かった。
そうしたら、その果てしない苦しみを、少しは癒すことが出来たのかもしれない。
でも、もう何もかも遅すぎる。
「隼人君、お願い……。わたし、生きていたくないの」
「僕、美咲ちゃんが好きだ。一緒に生きていきたい」