空の色をおしえて


その日の夜、わたしたちは誰もいない公園にいた。

仕事場のカフェから近い、ブランコと砂場しかない小さな公園だ。

わたしと隼人君は、人ひとり分の空間をあけてベンチに座っていた。


街灯や住宅の明かりが少なくて暗いから、お互いの表情が見えなくてほっとする。



「何度も電話してくれたのに、出られなくてごめんね。どうしたの?」


「うん、ちょっと……話がしたいと思って」






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