空の色をおしえて
「そっかぁ、僕もね、美咲ちゃんと話したいことならたくさんあるよ。最近よく思い出すんだ、昔のこと」
例えばね……と、いつもよりも明るいトーンで話し出す。
「いつだったか、まだ美咲ちゃんが隣に住んでた時、小学生の頃かな、美咲ちゃんと僕と兄さんと3人で近所の夏祭りに行ったよね」
「美咲ちゃんが迷子になってさ、僕は兄さんと2人で夜中まで走り回って探したんだ。結局見つけられたのは兄さんだったけど……」
あはは、と笑ってとても悲しげな顔をした。
彼はわたしが何を話したいのか、本当は分かっているようだった。