空の色をおしえて

「隼人君、わたしね……」



辺りが静寂過ぎて、震える声が伝わってしまいそう。



「いつだって、美咲ちゃんを守っていたのは兄さんだったよね」


「とても魅力的で……見かけだけはそっくりなのに、どうして僕とこんなにも違うんだろうっていつも思ってたよ」


そんなこと思ったことなんてない。

隼人君は隼人君にしかない魅力があるし、誰よりも優しくて、秋人がいなくなってからもずっと側にいてくれた。


でも今更そんな話をするのは、余計に傷つけるだけになってしまう。





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