空の色をおしえて
心を決め、目を閉じて深く深く息を吸う。
「わたしたち、もう会わないほうがいいと思うの」
言葉が暗闇に溶けて、この場所に誰もいないかのような沈黙が広がる。
「僕じゃ美咲ちゃんを守ることも、癒すことも出来ないんだね」
「何も望まないよ。君が幸せになってくれること以外、何も。それが兄さんの願いでもあると思うから……」
透明な悲しさが、水の流れのように、ゆっくりとわたしたちを押し流す。
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