空の色をおしえて


「隣のクラスにさ、めっちゃイケメンいるんだけど、見た??」


前の席の綾乃が、くりくりとした目を輝かせて聞いてくる。

天然パーマの髪をポニーテールにして結い上げ、その元気なキャラクターにとても似合っていた。


「はぁー?知らないよ。てゆうか興味ないし。綾乃はほんっとイケメン大好きだねー」


「入学したばっかりなんだから、そりゃ普通物色するでしょうよ!」


同じ中学の人がいない高校だから不安だったけど、綾乃が気軽に話しかけてくれたお陰で、すぐクラスに馴染むことが出来た。

まだ入学して間もないのに、彼女とはまるで何年も一緒にいたみたいに感じる。

クラスの中で地味な方になってしまうわたしにとって、彼女の底抜けの明るさは、とても眩しかった。


< 49 / 315 >

この作品をシェア

pagetop