空の色をおしえて
「隣のクラスにさ、めっちゃイケメンいるんだけど、見た??」
前の席の綾乃が、くりくりとした目を輝かせて聞いてくる。
天然パーマの髪をポニーテールにして結い上げ、その元気なキャラクターにとても似合っていた。
「はぁー?知らないよ。てゆうか興味ないし。綾乃はほんっとイケメン大好きだねー」
「入学したばっかりなんだから、そりゃ普通物色するでしょうよ!」
同じ中学の人がいない高校だから不安だったけど、綾乃が気軽に話しかけてくれたお陰で、すぐクラスに馴染むことが出来た。
まだ入学して間もないのに、彼女とはまるで何年も一緒にいたみたいに感じる。
クラスの中で地味な方になってしまうわたしにとって、彼女の底抜けの明るさは、とても眩しかった。