空の色をおしえて

その"イケメン"はわたしたちの視線に気づくと、躊躇うことなく教室の中に入って来た。

この軌道は間違いなくこっちに向かっているとしか思えない。


「えっ、なんでっ、なんでこっちくるの!?なになになに!?」


綾乃は顔を真っ赤にして、混乱している様子だった。

そうして"イケメン"はわたしと綾乃の前で立ち止まり、端正な顔でにっこりと微笑む。


「美咲ちゃん、久しぶりだね。メールで同じ高校になったって言ってたから、会えるの楽しみにしてたよ」


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