空の色をおしえて


「あー、ははは、そうだねほんと、楽しみにしてたよわたしも……あは」
と、ギリギリ日本語として通用するくらいの片言で返事をする。


綾乃がいる手前、なんて返していいか考えた結果、何だか変な言葉になってしまった。

しかも気づけば教室中の視線を集めてしまっている。


「あー、ほらっ、あれだ。廊下で友達が待っているよ、早く行きなよ」
あくまで片言のわたし。


「え~、なんかいつもの美咲ちゃんと違うよ~。あれ、みんなが見てるからって照れてるの?かわいいっ」


じゃあまたねーと爽やかな空気をさんざん振り撒いて、軽やかに教室から出ていった。


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