空の色をおしえて


「みーさーきー!!何よあれー!!男子に目もくれないと思ってたら、あんなの隠してたのね!」

隼人君が出ていってからしばらくの間固まっていた綾乃は、机から身を乗り出してそう言った。

「いやいや違うって、隠してないよー!彼らとは幼なじみで小学校までずっと一緒だっただけだもん」

「まじか!じゃあ今も家近いの?」


「ううん、今はけっこー遠いかな。中学にあがるとき親が離婚してね、わたしは母さんと一緒に引っ越したから」

「じゃあじゃあ、彼らに会いたくて同じ高校にしたってことなのね!!きゃー!どっちどっち、どっちが好きなの??」

いや待てよ、同じ顔だからもはやどちらでも……
とぶつくさ言っている綾乃。


でも、彼女の言っていることは本当は図星。

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