空の色をおしえて
まだ入学してから1度も顔を見ていない。
隼人くんは何回か見かけたけど、秋人はちゃんと登校していないのかもしれなかった。
わたしが同じ高校になったと知っているはずなのに少しも気にしていないのかと思うと、悲しいのを通り越してもう溜め息しか出ない。
昔から何にも執着しない人だったけど、幼なじみとして会いに来てくれてもいいじゃないかと思う。
なんて悶々と考えながら自分のクラスに戻ると、心なしか教室の中がざわざわしているように思えた。
どうしたんだろう?
面倒ごとには関わるまいと、真っ直ぐ自分の席を目指す。
あれ?わたしの席に誰か座っているような気が……
そこには見覚えのある男子生徒が、机に突っ伏して寝ていた。