空の色をおしえて


濡れた歩道を歩くと、踵が細かい土を跳ね上げ、見ていなくてもジーパンの裾を汚しているのが分かった。

でも、少しも気にならない。

以前のわたしは、そんなことですらひどく憂鬱な気分になったりしたんだったな。

隼人君の話に生返事をしながら、ぼんやりとそう思った。



角を曲がればもう、わたしと母さんが暮らすマンションの前につく。

たったの20分。
その短い時間を共有するために、彼はわたしを待った。
それはまるで生存を確認するための儀式のようで、軽い息苦しさを覚えた。

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