ホタル
私に気づいた一縷くんは、やぁ、と右手を挙げた。
「……来てくれたんだね。」
「ふふっ…当たり前でしょ?」
私は一縷くんの前に立つ。
「奏ちゃん…綺麗だよ。」
「ほんと?従姉妹に着付けて貰ったの!」
「そう…」
一縷くんは儚げに笑う
「…最後に、抱きしめても、いい?」
「もちろんだよ!」
一縷くんは、1歩私に近づいて、優しく私を包み込んだ。
彼の低い体温は、4年前の事故を思い出される。
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