緋女 ~後編~

迎えと再会と帰還





私はレン先生とショウを連れて、地上へと出ることにした。

とは言え、窓の外は快晴だ。ここ一週間雨になったことはない。

ここに雨は降るのかと、ショウか先生にたずねても良いのだが、どうせずっといるのだからそのうち分かると思い、訊いてはいない。

けど空は見えているのに地上に出るなど、やはり違和感しかない。けど、ショウが最初に言ったようにここはそういう場所だと納得はしている。


「で、どんな人なの?そのケイって奴」

「ん?えーっと、私にも良く分からないかな」


唐突に思い出した風に訊いてきたショウに正直に答える。

きっと、本当はショウがずっと気になっていたことなのだとは思うけれど、私の中に答えはないから。

ケイのことは好きではある。あるが、どこがと言われても困るし、謎だらけな人だから良く知っているかと聞かれると、そうではないと答える他ない。


不意に制服のスカートに違和感を感じた。


「んっ」

何だかくすぐったい。


「レヴィ、どうしたの?」

「………ショウ、なんかイタズラした?」


その私の言葉にショウの笑顔が強ばった。




「___そんなことしてないけど、どうかしたの?」



鋭い視線、底なしの漆黒に飲まれて私は首を横に振る。


「いつもショウに騙されるから、予防線張ろうと思って」


笑ってみせた私に、ショウは笑わなかった。



「ふーん」

最近見せるこのショウの表情の理由は、私には分からない。けど、突っ込みどころも分からないので仕方がなかった。


これ以上この話題を続けてもいいことは無さそうなので、別の話題を提示する。


「そういえばさ___」



今も感じるスカートの違和感は無視した。


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