【完】恋のおまじないNo.2
「ゆめから離れろよ…」



怒りに震える俺を見て、ゆめはいまにも泣きそうだ。



「カズマ…違うの。新羽くんは何も悪くないんだよ」



グサッときた。



ゆめは、新羽を庇うのか?



俺よりも…新羽を。



「不意打ちとか卑怯やん。もー痛いわぁ」



こんな時にもヘラヘラと笑っているのが、余裕を見せられているようで辛い。



「お前っ、授業中だろ。こんなことでゆめを足止めして…」




「そうじゃないよ、カズマ。新羽くんは…」




「もー、言わんといて。ごめんなぁ、ゆめちゃんのこと興味ない言ったけど、やっぱ好きやわ。もろてもいい?」




なっ…。




やっぱりコイツ、最初からその気でゆめに近づいたんだな。



どうやって取り入ったか知らねーけど、まさかキスまでしようとするなんて。



絶対許さねぇ…。



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