【完】恋のおまじないNo.2
「誤解して欲しくないのは、そのことは…俺は全然平気だったってこと」



驚いた表情で、俺を見上げる。



「え…あたしのことが嫌になって、離れていったわけじゃないの?」



やっぱ、そう思うよな。



都合がいいときだけ話して、他は突き放すか適当にあしらうか。



本当に心配なときは面倒みてたけど、遂には女作って気のないフリ。



なんなんだよ、俺は。



「ちゃんと、説明するべきだった。ゆめのことを…女子が悪く言うのが許せなかった…つーか。嫌味言われても、気にしてねーし…」



これは、前に違うってゆめが言ってたから、慌てて訂正を入れる。



「気にしてないじゃなく、気にしないようにしてたんだよな…。そういうの、見てる方が辛くて。離れることが、一番だって…つい最近までそう思ってたんだ」




「だったら、カズマはあたしのために…?そうなんだ…あたしは、カズマと話せればそれでよかったんだよ。突然距離を置かれることの方が…一番辛かった」




潤んだ瞳で見上げられると、もう歯止めが効かなくなってしまった。



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