【完】恋のおまじないNo.2
ゆめの背中に腕を回し、正面から…強く抱きしめる。



「カズマっ…や、離して… 」



俺の腕の中でもがくけど、離してなんかやらない。



どうしようもなく、好きだ…。



そんな想いを、どうしてこんなにひた隠しにできたのか。



「色んなことに理由をつけて、お前を好きなことを…周りも自分でさえも騙して…それで全てがおさまるんだって思ってた」



「…………」




「ゆめは…どうしたって、俺を好きになりっこないって思い込んでたしな」




俺はこの腕を解放する気はないし、無駄だって気づいたのかもう抵抗するのはやめたみたいだ。



そんなゆめが、俺の胸の中でごにょごにょ言ってる。



「それは…ちょっとまだ、よくわからなくて…」



「わかんなくていーよ。それでもただ、いつも俺の側にいて欲しい」



「うー…。ホントにカズマじゃないみたい。恥ずかしくて、顔上げれないよ」



そういうことか。



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