【完】恋のおまじないNo.2
一度体を離すと、ゆめの頭を軽く撫でた。



「これからは、自分の気持ちに正直になる。ゆめは、いつも通りでいいから、俺を避けるのだけはやめて欲しい」



「う…ん」



歯切れが悪い返事のわけは、周りの反応を気にしてるから?



いや…そうじゃないよな、これまでだってそうだったわけだし。



保健室の出来事から、そうだから…きっと原因はそこにある。



「保健室で、誰かになにか言われたんだろ」



「ええっ、どうしてわかったの?」



「わかるって。何年一緒にいると思ってんだよ」



うわ。



今度はゆめの方から、俺の胸に顔を埋めてきた。




「どいつだよ…服脱がすって、やり方が汚くないか。怖かっただろ」



「それはもう平気。あたしがカズマに相応しくないからイジワルしただけだよ」



イジワルって、そういう問題かよ。



長年一緒にいるからわかること。



これ以上追求しても、きっと多くは語らない。




そういうヤツだってことは、俺が一番よく知ってる。



< 177 / 282 >

この作品をシェア

pagetop