【完】恋のおまじないNo.2
「やっぱり叶わない恋だったんだ…って、悲しむ前に桃ちゃんには動いて欲しい」



あたしが言うのもなんだけど、カズマが動いてくれなかったらあたしもその気持ちに気づかなかったから。



好きって言われて初めは戸惑ったけど、やっぱり嬉しいよ。



恋に鈍感なあたしだからこんなだけど、紫藤くんなら桃ちゃんの気持ちをしっかり受けとめてくれそう。



「動くって言われても…無理だから、おまじない頼んでるのに」



そうなんだよね、確かにそうなの。



「あたしのおまじないは、願いを叶える手助けをしてるだけ。最後にどうするかは、桃ちゃんが決めていいんだよ」



「あたしが…決める?」



そうだった…。



これまで、周りの恋の成就をお手伝いしてきたけど…結局最後は、自分で動いてた。



いい感じになってきて勇気を出して告白したり、告白されたり…。



桃ちゃんと紫藤くんは、紫藤くんが押すと桃ちゃんが逃げてしまう。



見ているだけでいいなら、このままだと本当に紫藤くんは別の女の子を選んでしまうかもしれない。



< 194 / 282 >

この作品をシェア

pagetop