【完】恋のおまじないNo.2
「なんなのそれ。カズマに守られてる余裕?」



「そうじゃないよ。リサちゃん、カズマとは話さないって言ったことだけど…」



「それより。カズマに言ってないの?あのこと」



あのこと?



きょとんとしていると、リサちゃんがにらんできた。



「保健室でのこと!カズマにバラさないんだ?あたしがやったって」



「言わないよ。リサちゃんがカズマの家に居づらくなったら大変だもん」



「っ…言えばいーじゃん。もともとカズマは冷たいし、あんたのことがあるからってどうってことない」



「言わないって決めたの」



「お人好し。だから女子にナメられるんだ」



少し困った顔をしてあたしから目をそらす。



「へへっ。大丈夫だよ、あたしには、おまじないがあるから。困ったときに唱えると勇気でるの」



「えー…本気なの?」



「本気だよ」



「はーっ…。カズマが構いたくなるのがわかる。計算じゃないか、ばかっぽいもんね」



「えーっ!ばかってひどい」



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