【完】恋のおまじないNo.2
ひょこっと目の前に現れたのは、新羽くんだった。



「いつ入って来たの?びっくりしたよ~、もうやめてぇ」



「ははっ。おもろい顔」



弱ってるあたしに追い討ちをかける新羽くんは、相変わらずだね。



「心臓に悪いー」



「ごめんて。ボーッとしてたから喝を入れたろーかと」



「ひどいよ、本当にびっくりしたんだから」



「へへっ。ほな、お詫びにいい報告させて」



「え?」



新羽くんがあたしの隣に座る。



肩が少し触れ合って、思わず反対側にお尻をずらした。



「おい、傷つくな!俺のこと嫌なんか?」



「そんなんじゃないよ、なんとなく」



「ちょっとあたっただけやんけ。あのなー、報告っちゅーんはな。実は、おまじないの成果がでたんや」



「ええっ。ほ……本当に!?」



「ほんまや。全部ゆめちゃんのおかげやで。ありがとう」



「きゃーっ、やったぁ!よかったねぇ」



思わず新羽くんに抱きついてしまう。



< 229 / 282 >

この作品をシェア

pagetop