【完】恋のおまじないNo.2
「だっ……だめじゃないよ。ここにいていいんだよ」



「ありがとう。家に戻るの、やっぱちょっと怖いんや。また家庭崩壊とか…見たくない。仲直りしたとはいえ、まだな……」



しっかりしてるように見えても、新羽くんもまだあたしと同じ年齢だもんね。



親の機嫌や動向に左右されるよね…。



あっ、うちは共働きでほとんど家にいないから、あんまりそういうのはないんだけど。



きっと、そうなのかなってね。



「新羽くんの居場所はここだよ。またいつでも戻ってきてね」



「おいおい、今なんて言うた?はよ帰れってことか!ほんまゆめちゃんは顔に似合わず手厳しいな」



「あれっ、あたしなにか変なこと言っちゃった!?」



慌てていると、新羽くんがニコッと笑った。



「いや……そうやな。やっぱ帰るわ。俺の居場所はここにある。いつでも戻ってきてえーんやんな」



「うんっ!そうだよ。また……いつでも来てねって、戻ってくるような事態になっちゃだめなんだよね」



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