【完】恋のおまじないNo.2
ヘラヘラと笑ってやがる。



完全に俺のことばかにしてるよな。



「俺は……こんな、非科学的なもの信じない」



「さよか、ほな俺に返して」



あっさり奪われ、お守りは新羽の手の中に。



ポケットにしまうとカバンを担いで昇降口の方へと向かう。



「おい、どこ行くんだよ……教室そっちじゃないだろ」



「大阪、戻るわ」



やっぱりクラスメイトが言ってたことは本当なんだな。



「なんでそんな急に……」



「ちょっと色々ワケありで。あ、俺のこと一発殴ってえぇよ」



「……はぁ!?」



なんなんだよ、いきなり。



「さっき、ゆめちゃんに抱きついた」



「なに!?」



思わず新羽の胸ぐらを掴む。



「うちの親がケンカしててな、仲直りできるようゆめちゃんに依頼したんや。叶えてもろて、感激の余り……つい、な」



なんだ……そうだったのか。



それで、ゆめのやつ……。



手を緩めると、再び新羽がヘラっと笑った。



< 247 / 282 >

この作品をシェア

pagetop