【完】恋のおまじないNo.2
恋のおまじない
ゆめside
《これより、新入生歓迎会を始めます。呼ばれた人は前に出てきて下さい》
「きゃーっ、ゆめちゃんどうしよう。緊張するよ!!」
春になって一学年進級したあたしたち。
今日は例の新入生歓迎会の日で、全校生徒が体育館に集まったわけだけど。
偶然にもまた同じクラスになった背の順で前に立っているももちゃんが、あたしにしがみついてくる。
「緊張しなくて大丈夫だよー」
《……さん、2組……くん、3組紫藤くん》
「きたーっ」
「はいはい、桃ちゃんが呼ばれたわけじゃないでしょ。代わったんだから怖がらなくて大丈夫だよ」
そうなの、桃ちゃんは結局やりたくないって断って、他の人がやることに。
あっ、ふたりは無事付き合っていて、今ではすっかり校内生徒公認の仲。
「そうなんだけどっ。紫藤くんを見た新入生が、好きになったら困るよ……」
「そんな心配しなくていいんだよ。紫藤くんが、桃ちゃんを好きなんだもん」
「そうかなぁ……」
心配性だからね、桃ちゃんはいつもそんなことばかり言ってる。
けど、全然問題ないと思うんだけどなぁ。
「おーい、桃っ。見てるか?行ってくるな」
舞台に上がった紫藤くんが、桃ちゃんの方を見て笑顔で手を振ってる。
「ひゃあっ」
あたしに隠れるように顔を埋める桃ちゃん。
会場が一瞬どよめく。
けど、こんなのは日常茶飯事。
紫藤くんは周りにハッキリ見せつけちゃうから、誰もふたりの邪魔をしようなんて思わない。
《これより、新入生歓迎会を始めます。呼ばれた人は前に出てきて下さい》
「きゃーっ、ゆめちゃんどうしよう。緊張するよ!!」
春になって一学年進級したあたしたち。
今日は例の新入生歓迎会の日で、全校生徒が体育館に集まったわけだけど。
偶然にもまた同じクラスになった背の順で前に立っているももちゃんが、あたしにしがみついてくる。
「緊張しなくて大丈夫だよー」
《……さん、2組……くん、3組紫藤くん》
「きたーっ」
「はいはい、桃ちゃんが呼ばれたわけじゃないでしょ。代わったんだから怖がらなくて大丈夫だよ」
そうなの、桃ちゃんは結局やりたくないって断って、他の人がやることに。
あっ、ふたりは無事付き合っていて、今ではすっかり校内生徒公認の仲。
「そうなんだけどっ。紫藤くんを見た新入生が、好きになったら困るよ……」
「そんな心配しなくていいんだよ。紫藤くんが、桃ちゃんを好きなんだもん」
「そうかなぁ……」
心配性だからね、桃ちゃんはいつもそんなことばかり言ってる。
けど、全然問題ないと思うんだけどなぁ。
「おーい、桃っ。見てるか?行ってくるな」
舞台に上がった紫藤くんが、桃ちゃんの方を見て笑顔で手を振ってる。
「ひゃあっ」
あたしに隠れるように顔を埋める桃ちゃん。
会場が一瞬どよめく。
けど、こんなのは日常茶飯事。
紫藤くんは周りにハッキリ見せつけちゃうから、誰もふたりの邪魔をしようなんて思わない。