【短編】生け贄と愛
紅薔薇の涙
──神、と呼ばれる者には計画があった。
否、理想があった。
食物連鎖の頂点に立つ人間の奢りを消し去り、彼らが喰われる恐怖を知ること。
その世界の神は、全知全能ではあったが無垢であった。
ときに、無垢な心は残酷である。
< 1 / 53 >
メニュー