明日、君を好きになる
学生の頃から、男女の恋愛話より前日のJリーグの結果が気になるような子で、いつもスッピンみたいで化粧っけもなく、性格もサバサバしていた、沙也加。
それは、熱烈にアタックされた藤川君と交際してからも変わらず、よく『彼は私のどこが良いんだろうねぇ』なんて、笑って言ってたっけ。
純白のバージンロードを、精巧な刺繍の施された長いベールを引きながら、藤川君の元に向かうその横顔は、私達のよく知ってる彼女ではないような気さえした。
”沙也加”なんて可愛い名前、自分には似合わないから嫌だと言っていたあの頃。
もう名前負けなど、微塵もしていない。
今は、完全に幸福に満ちた《美しい女性》の顔になってる。
祭壇に近づき、父親の腕から離れ、藤川君の腕にその手を添えると、緊張がほどけたのか、ホッとしたように彼に微笑みかける。
そんな沙也加を見ていたら、今までずっと一方的に藤川君が沙也加を好きなんだと思っていたけれど、違っていたのかもしれない…と思った。
この10年間、二人の間に何があったのか、わからないけれど、互いに想い合い信頼し合っているのが、一瞬で見てわかる気がする。
頭上で、今一度、甲高い鐘の音が鳴り響き、挙式は厳かに始まった。
十字架の向こう側には、一面清々しいほどの青空が見え、その光あふれる祭壇の上で、永遠の愛を誓う二人は、眩いほどの幸せと祝福に包まれている。
それは、熱烈にアタックされた藤川君と交際してからも変わらず、よく『彼は私のどこが良いんだろうねぇ』なんて、笑って言ってたっけ。
純白のバージンロードを、精巧な刺繍の施された長いベールを引きながら、藤川君の元に向かうその横顔は、私達のよく知ってる彼女ではないような気さえした。
”沙也加”なんて可愛い名前、自分には似合わないから嫌だと言っていたあの頃。
もう名前負けなど、微塵もしていない。
今は、完全に幸福に満ちた《美しい女性》の顔になってる。
祭壇に近づき、父親の腕から離れ、藤川君の腕にその手を添えると、緊張がほどけたのか、ホッとしたように彼に微笑みかける。
そんな沙也加を見ていたら、今までずっと一方的に藤川君が沙也加を好きなんだと思っていたけれど、違っていたのかもしれない…と思った。
この10年間、二人の間に何があったのか、わからないけれど、互いに想い合い信頼し合っているのが、一瞬で見てわかる気がする。
頭上で、今一度、甲高い鐘の音が鳴り響き、挙式は厳かに始まった。
十字架の向こう側には、一面清々しいほどの青空が見え、その光あふれる祭壇の上で、永遠の愛を誓う二人は、眩いほどの幸せと祝福に包まれている。