明日、君を好きになる
そんな、粛々と進行する式の最中、私はどうしてなのか、小野崎さんを思い出していた。
…ううん、本当のことを言えば、昨日からずっと頭の片隅から離れずにいた。
どうかしてる。
自分と小野崎さんは、目の前の二人のように、長く一緒にいて、深いつながりがあるわけじゃない。
ほんの1か月ほど前までは、ただのカフェ店員とお客様の関係。
そしてそれは、これからも変わらない。
二人の間にはまだ何も始まっていないし、始めるつもりだってないのに、なぜこんなにもあの人のことが、頭から離れないのだろう?
なぜこんなにも、胸が締め付けられるように、苦しいのだろう?
『…りこ…江梨子?』
千春の手が肩に触れ、ハタと気づけば、挙式が終わり、列席者は皆、このチャペルに入る前に渡されたライスシャワー代わりのハート形の紙吹雪を手に、入り口のピロティーに移動しているところだった。
『あ、ごめん、ボッーとしちゃった』
『どうした?…何か、あったの?』
千春が心配そうに問う。
『そうそう、私も思った。江梨子ったら、今日、いつもより全然元気ないし』
『えっと、そう…かな?別に何にもないよ?』
『…本当?』
『うん…ちょっと、沙也加があんまり綺麗すぎて、見惚れてただけ』
そういうと、満面の笑顔を作り『ごめん、行こっか』と、立ち上がる。
…ううん、本当のことを言えば、昨日からずっと頭の片隅から離れずにいた。
どうかしてる。
自分と小野崎さんは、目の前の二人のように、長く一緒にいて、深いつながりがあるわけじゃない。
ほんの1か月ほど前までは、ただのカフェ店員とお客様の関係。
そしてそれは、これからも変わらない。
二人の間にはまだ何も始まっていないし、始めるつもりだってないのに、なぜこんなにもあの人のことが、頭から離れないのだろう?
なぜこんなにも、胸が締め付けられるように、苦しいのだろう?
『…りこ…江梨子?』
千春の手が肩に触れ、ハタと気づけば、挙式が終わり、列席者は皆、このチャペルに入る前に渡されたライスシャワー代わりのハート形の紙吹雪を手に、入り口のピロティーに移動しているところだった。
『あ、ごめん、ボッーとしちゃった』
『どうした?…何か、あったの?』
千春が心配そうに問う。
『そうそう、私も思った。江梨子ったら、今日、いつもより全然元気ないし』
『えっと、そう…かな?別に何にもないよ?』
『…本当?』
『うん…ちょっと、沙也加があんまり綺麗すぎて、見惚れてただけ』
そういうと、満面の笑顔を作り『ごめん、行こっか』と、立ち上がる。