明日、君を好きになる
『おい進藤、大丈夫か?』
『平気平気』
そうは言ったものの、お店を出たところで足元がふらついてしまい、咄嗟に悟が支えてくれて、なんとか転ばずには済んだ。
『あ~危なかったねぇ、ありがとぉ~悟』
『全然、平気じゃないじゃん』
『あはは…だねぇ…あれ?悟、背伸びた?』
『何、言ってんだよ。大学の頃から大して変わってね~し…って、とりあえず、水買ってくるから、ちょっと待ってろ』
そう言うと、お店の前の柱にもたれる私に“ここ動くなよ”と念を押してから、近くの自販機にミネラルウォーターを買いに行く。
大学の頃の悟は、まだ中学生みたいに幼い顔で、身長も当時、確か160㎝そこそこ。
そのせいで、皆から“悟ちゃん”なんて呼ばれて、可愛がられてたっけ。
ところが、自販機の前の悟を見れば、濃紺のスーツもしっくり着こなし、今や立派な大人の男性に見える。
『何よ、悟のヤツ、急に大人になっちゃって…』
何だか、自分だけが置いてけぼりを喰らったみたいで、勝手に一人で毒づく。
そんな私の気持ちなど知らずに悟が戻ってくると、親切にキャップまで開けて、手渡してくれた。
『ほら、少し酔い覚ませよ』
『ありがと~』
渡されたミネラルウォーターを一口飲むと、冷たい水が身体全体に行きわたる。
飲んだお酒の量からしたら微々たる量だけれど、それでも多少は中和されるのだろうか?心なしか、スッキリした気がした。
『美味しい!ってか、水ってこんなにおいしかったっけぇ~』
『ったく、珍しくお前、今日飲みすぎだろ』
『い~じゃん…私だって、飲みたい日ぐらいあるよぉ』
若干呂律の回っていない口調で答えると、目の前では、悟が大きなため息を吐く。