明日、君を好きになる
確かに悟が言うように、どちらかと言えば、飲み会の時はいつも幹事であることが多いせいか、こんな風にセーブもかけず、限界近くまで飲み続けることは無い。

彼が驚くのも無理はなかった。

『とにかく、大人しくもう帰れよ?タクシー捕まえてやるから』
『え~まだ飲むしぃ…悟こそ、もう帰って良いよ~』
『んなこと、出来るわけないだろ』

心底呆れた顔で、言い放つ。

正直、お酒は割と強い方なのだけれど、今日は自分のキャパシティを完全に超えていた。

いや、むしろ超えたくて飲み続けていた気もする。

もちろん、悟を巻き込むつもりは毛頭なかったけれど、この期に及んで、まだ一人暮らしのあの部屋に帰る気にはなれなかった。

明日はカフェも休みを取ってるし、今日は深酒したって問題ない。

悟は、手元の時計をみて、困ったように少し考えてから『んじゃ、俺ん家で、飲み直すか?』と、提案してくる。

『はい?』
『さすがに、お前をこのまま置いてはいけねぇだろ。俺ん家、こっから近いから』

酔っていながらも、女性が一人で、独り暮らしの男性の部屋へ行くリスクくらいはまだ理解できていた私は、さすがに躊躇を見せると、すかさず察した悟が付け加える。
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