明日、君を好きになる
変化
翌日、天気は回復し、清々しい朝。
いつもと変わらない朝を迎え、開店の準備が終わった6時過ぎに、彼はやってきた。
今日は、昨日のような疲労感はなさそうで、いつもと同じように、さわやかに受け答える。
『おはようごさいます』
『おはよう、いつものよろしく』
気持ちの良い青空の元、本日は通常通り開放している、テラス席のパラソルの下で、入口で手に取った新聞を読み始める。
見慣れた、いつもの光景だ。
ほどなくして、出来上がったモーニングセットを提供するために、テラス席へと運ぶ。
『お待たせしました』
新聞をたたみ、椅子に寄りかかっていた身体を起こす。
『ああ、ありがとう』
そしていつも通り『ごゆっくりどうぞ』と、立ち去ろうとすると、珍しく『あ、ちょっと』と、呼び止められた。
『はい?』
『今日は、サービスはないのかな?』
『?』
『昨日の…』
どうやら昨日提供した、小鉢のチョコレートのことを言っているようだった。
『あれは、その…昨日は、お客様がだいぶお疲れのようだったので…』
『俺、今日も結構、疲れてるんだけど?』
テーブルに肘を乗せて、顎に手を添えて、涼し気な顔で見つめられる。