明日、君を好きになる
『エリ…もうわかってるとは思うけど、もう一度きちんと言うよ』

柵に片手をかけたまま、身体だけこちらに向ける。

『君が好きだよ…ずっと、誰にも渡したくないくらいに』

澄んだ瞳で見つめられ、視線を動かせなくなる。

『会わなかった時間も、君を思い出さない日は無かった…君の心の中にある、返事を聞かせてほしい』

全く揺れることのない眼差しで、想いを伝えてくる。

見上げた小野崎さんの後ろに、見えるベイブリッジの美しい夜景。

『…私』
『ん?』
『女子力低いですよ?』
『俺には、充分すぎるほど高いけど?』
『全然、素直じゃないし…』
『知ってる、っていうか、むしろ君のそういうとこに惹かれてるし』

自分の気持ちなど、とうに決まっているのに、あまりにも真っすぐな視線と告白に、どう答えたらいいのかわからず、目線を手元に移しうつむいてしまう。

『あ、甘えたりとか、上手くできないから…』

途端に、ふわりと優しく抱きしめられる。

『!!』
『…焦らしすぎだぞ、エリ』

耳元で、低く切なさを込めた声が、聞こえる。

『そのままで良いから…OKだったら、頷いて』

耳に届いたその言葉は、私の胸を貫き、恥ずかしさと嬉しさで、胸がいっぱいになる。

私は、その腕の中で、こくりとゆっくり頷いた。
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