明日、君を好きになる
『ひゃっ』
『なんて声出すんだ…エリ、落ち着いて?』
『お、落ち着くので、ちょっと離れて…』
『それはできないよ。さっき俺の腕の中で頷いた時点で、公に君に触れる許可をもらったんだからね』
『…なっ!』
『それに、俺にはこの数カ月、君と離れてた分の充電が必要なんだ…もちろん、本当に嫌ならこの腕、解くけど?』

言われて、自分もこの数カ月会えなかった寂しさがよみがえり、思わず目の前に廻された小野崎さんの腕をギュッと掴む。

『嫌…です』
『良い子だ…ちなみに、一瞬で充電ができるもっと”大人の方法”もあるけど、これが嫌なら、そっちを試してみる?』

耳元で囁くように言われ、即座に『このままで大丈夫です!』と答えると『それは残念だな』と、真後ろで、また笑いを堪える気配がする。

『何だか騙された気分です』
『心外だな…だから返事をもらう前に、情けない自分も全部さらけ出したのに』
『だって、甘すぎます』
『そう?っていうか、実は、これでもまだ抑え気味だけど?』

抱きしめられながら、意外にも恋愛モード全開の小野崎さんに、タジタジになる。
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