明日、君を好きになる
『…どう?大丈夫?』
渚ちゃんが、心配そうに休憩室を覗き込む。
『あ、ごめんね、すぐ戻れるから』
『ううん、今そんなにお店混んでないし、しばらく休んでて平気よ…それより、何かあった?』
『…どうして?』
『なんか今週のエリィ、ちょっと変だし…』
確かに、自分でも、いつもの自分じゃない感覚。
熱があるわけはないのだけれど、仕事中ボーとしてたり、単純なオーダーのミスをしたり、これじゃまるで…
『好きな人でも出来た?』
渚ちゃんが、にやりと笑って聞いてくる。
思わず動揺して『な、何、言ってんの?』と、声が上ずってしまった。
『分かり易いわね、エリィ』
『そんなんじゃないからね』
『もしかして、その相手って…恭介君だったりして?』
ドキッ…
『まさか、そんな訳ないでしょ!』
『うんうん、そっか、恭介君かぁ~』
『だから、違うって…』
否定しながらも、渚ちゃんの口から小野崎さんの名前が出てきて、心臓が跳ね上がる。
隣では、何故か一人で納得してる渚ちゃんが、にやにやしてる。
私は、小さくため息を付いた。