明日、君を好きになる
店員が去り、改めて目の前に座る彼を見て、やっぱり違和感を感じてしまう。
いつもの、緩くパーマがかかったような髪は、キチンと整えられて、細めの黒縁眼鏡もスタイリッシュで落ち着いている。
『何?そんなに、いつもと違うかな?』
『…違い過ぎです』
『君だっていつもと違うよ?その下ろした髪も、すごく似合ってる』
渚ちゃんのお店では、飲食店のマナーとして髪は1本に束ねているので、確かに下ろした姿を見られたのは今日が初めてのはず。
さりげなく女性を褒める辺りは、いつもの彼と同じだけれど、実直そうな男性に言われると、逆に嘘っぽく聞こえるから不思議だ。
『…それはどうも』
『本気で言ってるのに、信じてないな』
『どっちの小野崎さんが本当の小野崎さんか、よくわからないので』
『参ったな、どっちも俺だよ』
困ったように苦笑し、両手を組んでテーブルに置くと、ゆっくり話出す。
『君が渚さんの従姉妹だと聞いて、てっきり彼女からいろいろ聞いているのかと思ってたけど、ホントに何も聞いてないみたいで驚いたよ』
『さすが律義だよね』と、人差し指で、眼鏡の中央をクイッと押し上げる。
『人から聞いた話とか、本人の許可もなく、そんな簡単に話せないと思いますけど』
『うん、確かにエリの言う通りだ…って、そういうところ、君たちそっくりだな』
渚ちゃんに似てるなど、初めて言われた。
外見は全く違うけれど、言われてみれば、ものの考え方は、少し似ているのかもしれない。
いつもの、緩くパーマがかかったような髪は、キチンと整えられて、細めの黒縁眼鏡もスタイリッシュで落ち着いている。
『何?そんなに、いつもと違うかな?』
『…違い過ぎです』
『君だっていつもと違うよ?その下ろした髪も、すごく似合ってる』
渚ちゃんのお店では、飲食店のマナーとして髪は1本に束ねているので、確かに下ろした姿を見られたのは今日が初めてのはず。
さりげなく女性を褒める辺りは、いつもの彼と同じだけれど、実直そうな男性に言われると、逆に嘘っぽく聞こえるから不思議だ。
『…それはどうも』
『本気で言ってるのに、信じてないな』
『どっちの小野崎さんが本当の小野崎さんか、よくわからないので』
『参ったな、どっちも俺だよ』
困ったように苦笑し、両手を組んでテーブルに置くと、ゆっくり話出す。
『君が渚さんの従姉妹だと聞いて、てっきり彼女からいろいろ聞いているのかと思ってたけど、ホントに何も聞いてないみたいで驚いたよ』
『さすが律義だよね』と、人差し指で、眼鏡の中央をクイッと押し上げる。
『人から聞いた話とか、本人の許可もなく、そんな簡単に話せないと思いますけど』
『うん、確かにエリの言う通りだ…って、そういうところ、君たちそっくりだな』
渚ちゃんに似てるなど、初めて言われた。
外見は全く違うけれど、言われてみれば、ものの考え方は、少し似ているのかもしれない。