明日、君を好きになる
『さっき、俺目当てのお客がいるって話したけど、どちらかというと男性より女性が多くてね』
“でしょうね?”と、心の中で返答。
『女性の中には、俺を理想の男性像に、当て嵌めてしまう人も多い』
『モテるって言いたいんですか?』
咄嗟に出た言葉に、小野崎さんは何故か嬉しそうに、『あれ?妬いてる?』と、ニヤつかれ、『違います』と即答。
『まあ、素の俺を好きになってくれているのなら、嬉しいけどね…おそらくそうじゃない。彼女たちは“バーテンダーをやってる小野崎恭介”を、気に入ってるだけなんだ』
『どっちも、小野崎さんですよね?』
『うん、そうなんだけど、店では接客業だからね。本業のように、パソコン相手と同じとはいかない。それが良くて続けてるってのもあるけど、やっぱり相手に合わせて演じてるところもある…そうだな、エリがいつもの俺と今日の俺に違和感を感じてるとしたら、そういったことも関係しているのかもしれない』
それは、なんとなくわかる気がした。
自分も、渚ちゃんのカフェで働いている時は、お客様にはなるべく笑顔で接するように心掛けている。
もちろん、かといって私は、男性から告られたことは全くないけれど。
小野崎さんの場合は、そのせいで、結構な数の女性に待ち伏せされたり、しつこく交際を迫られたりしたらしい。
“でしょうね?”と、心の中で返答。
『女性の中には、俺を理想の男性像に、当て嵌めてしまう人も多い』
『モテるって言いたいんですか?』
咄嗟に出た言葉に、小野崎さんは何故か嬉しそうに、『あれ?妬いてる?』と、ニヤつかれ、『違います』と即答。
『まあ、素の俺を好きになってくれているのなら、嬉しいけどね…おそらくそうじゃない。彼女たちは“バーテンダーをやってる小野崎恭介”を、気に入ってるだけなんだ』
『どっちも、小野崎さんですよね?』
『うん、そうなんだけど、店では接客業だからね。本業のように、パソコン相手と同じとはいかない。それが良くて続けてるってのもあるけど、やっぱり相手に合わせて演じてるところもある…そうだな、エリがいつもの俺と今日の俺に違和感を感じてるとしたら、そういったことも関係しているのかもしれない』
それは、なんとなくわかる気がした。
自分も、渚ちゃんのカフェで働いている時は、お客様にはなるべく笑顔で接するように心掛けている。
もちろん、かといって私は、男性から告られたことは全くないけれど。
小野崎さんの場合は、そのせいで、結構な数の女性に待ち伏せされたり、しつこく交際を迫られたりしたらしい。