明日、君を好きになる
『正直、二つ目の条件は、嘘の恋人ってわかっちゃったら、意味ないんじゃないかな?って言ったんだけど、彼女「そこは私に任せて」って。まあ、実際不思議なことに、全く支障ないから、うまくやってくれているんだろうけど…』
『…それは、安心して大丈夫です。支障どころか、その子達すっかり渚ちゃんの魅力に取り込まれて、カフェに通ってきてますから…』
『え?そうなの?さすがだなぁ、渚さん』
感心しきりで、再びパスタを食べ始める小野崎さんを前に、自分も一息つき、思い出したように、先程から目の前に置かれている、お店自慢の“冷製ジェノベーゼ”に口を付ける。
温かいパスタを注文しなくて良かった。
口の中に、ひんやりした冷たさと同時に、バジルの香りがふわりと香り、優しい味が広がった。
『ん!美味しい…』
『良かった。気に入ってもらえたかな?』
すべてを言い終えたからだろうか、なぜかスッキリとした顔の小野崎さん。
私も、目の前の男性に、今日駅前で会った時に感じた違和感も溶け、いつもの小野崎さんと同一人物であるという認識はできた。
それでいて、すべてを知り、偽りのない小野崎さんに接し、まるで初めて会った男性のようにも思えて、不思議な感覚に陥る。
…それからは、他愛のない会話で食事を楽しみ、最後はデザートまでいただいて、結局、そのすべてを小野崎さんが支払い、すっかりご馳走になってしまった。
『…それは、安心して大丈夫です。支障どころか、その子達すっかり渚ちゃんの魅力に取り込まれて、カフェに通ってきてますから…』
『え?そうなの?さすがだなぁ、渚さん』
感心しきりで、再びパスタを食べ始める小野崎さんを前に、自分も一息つき、思い出したように、先程から目の前に置かれている、お店自慢の“冷製ジェノベーゼ”に口を付ける。
温かいパスタを注文しなくて良かった。
口の中に、ひんやりした冷たさと同時に、バジルの香りがふわりと香り、優しい味が広がった。
『ん!美味しい…』
『良かった。気に入ってもらえたかな?』
すべてを言い終えたからだろうか、なぜかスッキリとした顔の小野崎さん。
私も、目の前の男性に、今日駅前で会った時に感じた違和感も溶け、いつもの小野崎さんと同一人物であるという認識はできた。
それでいて、すべてを知り、偽りのない小野崎さんに接し、まるで初めて会った男性のようにも思えて、不思議な感覚に陥る。
…それからは、他愛のない会話で食事を楽しみ、最後はデザートまでいただいて、結局、そのすべてを小野崎さんが支払い、すっかりご馳走になってしまった。