明日、君を好きになる
一般車の送迎用通路に寄せ、ハザードを付けて停車。
お礼を言って降りると、小野崎さんも一旦降りて見送ってくれる。
『今日は、本当にご馳走様でした』
『いや、こっちこそ、久々にデート気分を楽しめたよ』
『…相手が私なんかで、すみません』
『“なんか”じゃないだろう?エリじゃなかったら、俺、誘ってないよ?』
真顔で見つめられ、どう返答すればいいか迷っていると、ふいに小野崎さんの手が私の髪に触れ、思わず咄嗟に一歩下がる。
『悪い、コレ着いてたから』と、小さな緑色の葉を掲げて苦笑い。
『あ、ありがとうございます』
意識しすぎているみたいで、なんだか恥ずかしい。
『えっと…じゃ、お仕事、頑張ってください』
『ああ』
そう言って、急いで駅の方に足を進めると、後ろから『エリ』と呼ばれ、振り返る。
『また、明日』
鮮やかなブルーの車の前で、こちらを見て微笑む小野崎さん。
マズい。
どうしたんだろう?
恋愛モードのスイッチはしっかりとオフにしたはずなのに、この胸の鼓動が治まらない。
“…私、小野崎さんに惹かれてる?”
そう自覚する一方で、
『今はまだ、恋人を作る気はないから』
キッパリ断言した言葉が耳に残って離れず、小野崎さんの姿が見えなくなった後、駅の柱にもたれると、深くため息をついた。
お礼を言って降りると、小野崎さんも一旦降りて見送ってくれる。
『今日は、本当にご馳走様でした』
『いや、こっちこそ、久々にデート気分を楽しめたよ』
『…相手が私なんかで、すみません』
『“なんか”じゃないだろう?エリじゃなかったら、俺、誘ってないよ?』
真顔で見つめられ、どう返答すればいいか迷っていると、ふいに小野崎さんの手が私の髪に触れ、思わず咄嗟に一歩下がる。
『悪い、コレ着いてたから』と、小さな緑色の葉を掲げて苦笑い。
『あ、ありがとうございます』
意識しすぎているみたいで、なんだか恥ずかしい。
『えっと…じゃ、お仕事、頑張ってください』
『ああ』
そう言って、急いで駅の方に足を進めると、後ろから『エリ』と呼ばれ、振り返る。
『また、明日』
鮮やかなブルーの車の前で、こちらを見て微笑む小野崎さん。
マズい。
どうしたんだろう?
恋愛モードのスイッチはしっかりとオフにしたはずなのに、この胸の鼓動が治まらない。
“…私、小野崎さんに惹かれてる?”
そう自覚する一方で、
『今はまだ、恋人を作る気はないから』
キッパリ断言した言葉が耳に残って離れず、小野崎さんの姿が見えなくなった後、駅の柱にもたれると、深くため息をついた。