明日、君を好きになる
両親の言いたいことは、わかってる。

私が役所辞めても尚、公の職にこだわって、教師になると思っているのだろう。

でも私は…。

『違うの』

そうつぶやき、小さく深呼吸をすると、改めて目の前の両親を見て、自分の気持ちを正直に話し出した。

『別に、公の仕事を意図的に選んだわけじゃない…ごめん、本当のことを言うと、私がお父さん達のそういう気持ちを利用していたのかもしれない』

目線がゆっくり手元に落ちる。

『どういうことだ?』
『教師という職業には、もうずっと前から興味があって…実はね、言ってなかったけど、大学時代に、教員免許も取ってたんだ』
『え?本当に??…だったら、どうして』

母が驚いて聞いてくるのを、父が制止し、先ずは話を聞くようにと、先を促す。

『私、教員免許の試験に合格して、いざ教師になれるチャンスが現実になったら、急に怖気ずいて…自信が、なかったの。結局、お父さんたちと同じように、普通に市の職員になることを選んだ。それなら、うまくいかなかった時、言い訳が利くでしょう?だって…』
『自分が望んだものじゃないから…か』

父が代わりに、答える。

『そう…ずるい考えだよね』
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