春が来たら、桜の花びら降らせてね
✲*:。Prologue.。:*✲
「おい、喋れよ」
私の心を踏みにじるような一言と笑い声。
怒りたくても、泣きたくても、苦しくても出ない私の声。
何度泣いても心で悲鳴をあげても、誰にも届かない。
そっか、世界は結局……歪な私を受け入れてはくれないんだって気づいたあの日から。
私はひとりで生きていくんだって思っていたのに……。
「よう、冬菜!」
そんなときに、君が現れた。
「これ、俺からのプレゼントな」
君がくれたもの。
春の桜に夏の朝顔、秋の紅葉に冬の雪だるま。
それから……。
「だから、早く俺のために笑えって!」
溢れんばかりの、想いでした。
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