春が来たら、桜の花びら降らせてね
「ついに惚れちゃったかぁ~、琴子、全力で協力するからね!」
「ふゆにゃんのためなら、バックサポートは俺たちに任せてよ」
2人の気持ちは純粋に嬉しい。
だけど、夏樹君に病気の私はふさわしくない。
ううん、なにより夏樹君には、忘れられない女の子がいるんだからと、私はふたりの行為に感謝しつつも、フルフルと首を横に振った。
「ふにゃん、どーして協力いらないの?」
琴子ちゃんがあからさまに落胆してしまったので、私は慌ててスマホのメモに返事を打った。
『私では、夏樹君を幸せにできないから』
そう打ったメモを見せると、琴子ちゃんは目を見開く。
「どーして?」
……え?
本気で理由がわからないのか、琴子ちゃんは心の底から不思議そうな顔をしていた。