春が来たら、桜の花びら降らせてね
「まぁ、そんなにすぐ答えは見つからないだろう。だから冬菜ちゃん、不安な時は話してくれ。いつでも相談に乗るからな」
私の頭にポンッと手を置いて笑う琉生君。
告白を断っても、変わらずに接してくれる。
利害関係なく、好きな人の幸せを願える、こんな人に私もなりたいと心から思った。
昼休みが終わり、ぼんやりと窓の外を眺めるだけの授業を終えて、放課後がやってきた。
私は回ってきた掃除当番のために階段を掃除して、教室へと戻ってくる。
すると、そこに人はいなかった。
それぞれ、部活や掃除に散ったのだろう、ここに人がいないのは別に特別なことじゃない。
わかってるけど、つい数週間前まで私の周りは賑やかだったことを思い出してしまう。
なのに、今は静かすぎて、余計に孤独を感じる。
私がみんなを不幸にすると思ったら、誠君や琴子ちゃんともどう接していいのかわからず、ぎこちなくなってしまった。
重い足取りで自分の席へと戻ると、机の上に手紙が置かれていることに気づいた。
なんだろう、これ……。
また、園崎さんの嫌がらせとかだったら嫌だなと思いながら、私は恐る恐る、封筒を手に取る。
そこに送り主の名前はなく、封筒は無地だった。