春が来たら、桜の花びら降らせてね
「お前ら……」
なんか、胸が目元がジーンと熱くなる。
嬉しさと感謝と信頼と、たくさんの想いが溢れて、でもそれをうまく言葉に当てはめられずに、喉でつかえる感覚。
もう、隠さなくてもいい、話そう全てを。
その決心を、こいつらが自然にさせてくれた。
「聞いてほしいことが、ある」
俺は恐怖に耐えるように、グッと拳を握りしめる。
冬菜の遠ざかる背中を思い出して、「逃げるな」と自分の気持ちを奮い立たせると、俺は冬菜との過去を話し始めた。
全て話し終えると、みんなは神妙な面持ちで俺を見ていた。誰も言葉を発さず、沈黙が俺の不安を掻き立てる。
「だから夏樹はふゆにゃんにちょっかいをかけてたのか」
「お前、その償いのために冬菜ちゃんを守ろうとしてるのか?」
誠と琉生の言葉に、俺は首を横に振って答える。